痛みは慢性化するにつれ,身体以外に心理社会実存的な多くの苦痛を伴うようになり,単に鎮痛薬や神経ブロックなどでは改善しないことがしばしばです。痛みの治療では,まず的確に診断して,患者さんを総合的に把握することが重要です。さらに,治療は神経生理・解剖などの基礎医学,ペインクリニック,整形外科,リハビリテーション,心療内科,東洋医学,看護など多くの見地から集学的に行うことが望ましいと考えます。本会はこのような痛みへの包括的な取り組み方を研究するために,広く会員を募集しています。
本学会は,難治疼痛症例研究会,こころとからだの痛み研究会を経て,2009年に現在の「日本疼痛心身医学会」に名称と組織の変更を行いました。
現在,会員は,医師・看護師をはじめ,痛みを訴える患者さんの対応に困難を感じている多くの職種や,基礎医学の研究者など(学生を含めて)で構成され,痛みの包括的な治療法を共に学び,その成果を患者さんに還元することを目指しています。